はじめに
2021年12月17日(金)にサンフランシスコのChase Centerで開催されたメタリカの40周年記念ライブのレポートをお送りします。私が行ったのは2公演のうち最初の1公演目です。2日目はこの2日後の2021年12月19日(日)に開催されました。両日のライブの模様はAmazon Prime等で全世界に同時配信されました。1日目はちょうど日本の土曜日でしたので日本でご覧になった方も多かったのではないでしょうか？
■会場について
今回の会場はサンフランシスコにあるChase Centerです。2019年にオープンした比較的新しい会場でこけら落とし公演をメタリカが行ったことでも有名です。
アメリカでは有数の銀行のChase Bankの名が冠された会場で、普段はNBAのGlden State Warriorsの本拠地となっています。常設のGolden State Warriorsのグッズショップもあります。
広場には非常に背の高いクリスマスツリーがそびえ立っており、ちょっとした観光スポットにもなっています。
路面電車の駅も目の前にあるので交通の便は比較的良いようです。実際に路面電車で会場に来たメタリカファンを多数見かけました。上の写真の右側にすこし写っているのが路面電車のホームです。
駐車場はChase Centerに対して道路を挟んだ隣にあります。ticketmasterのサイトからライブのチケットと同時に事前購入でき、価格は$40でした。ライブ当日は近隣の時間貸し駐車場は閉鎖されるので、車で向かう場合にはこのチケットを確保しておくのが良いでしょう。当日は入口でスタッフの人がスマホのコードを読み取ってチケットを確認する仕組みでした。入場をする際には珍しくハザードランぷをつけるように指示されました。どのフロアに止めて良いのか分からなかったため、4Fまで上がって停めましたが、かなり空いていました。ライブ終了後に出る時もそれ程混まずにスムーズに出られたので良かったです。
■グッズ販売について
物販は私が確認できたのは2か所で、敷地内の広場の屋外特設ブースに一か所。それから道路に駐車された大型トレーラーで一か所でした。
SNSで出回っている画像を見る限り、もしかすると別の場所にもう一か所あったのかもしれません。今回はチケットを購入しなくても会場の外でグッズを購入することができました。一方会場に入場後には物販がありませんでした。私は早めに入場したのでポスターを買い損ねており少し不便に感じました。ライブの無い日も販売が続けられていたので売り切れになるリスクがありました。
■購入したグッズについて
40周年記念デザインのTシャツとプルオーバーパーカー、それからもう一種類のデザインのパーカーとポスターを購入しました。ポスターは2000枚の通し番号が入っていて2日ともデザインが異なります。横に並べると1部のデザインが繋がっているみたいです。
■フロアと客の入りなど
40周年記念ライブということで会場は満杯かと思いきや、意外とスペースが空いていて比較的空いていました。スタンディングのフロアもかなり人と人のスペースが確保でき、コロナ感染回避の観点からも良い環境でした。金曜日ということもあって、都合がつかなかったファンも多かったのかもしれません。マスクを着用している人の割合は約4割といったところでしょうか？開演時間になっても相当数の座席が空いていましたが、前座をスルーしてメタリカの演奏時間までに来ようとした人も多かったのかもしれません。
入場の際にはワクチン接種カードの提示が義務付けされているとはいえ、コロナ感染の心配はないのか疑問に感じてしまいました。フロアには一応、マスク着用が義務付けされている旨の注意書きはあるのですが、それを平気で守っていない人もいました。マスクなしでも平気な人が多いのにはあまりいい気分はしませんでした。アメリカならではの光景といったところでしょうか？日本ではこうはいかないでしょう。
フロアに入場する際にこのようなブレスレットが手渡されました。これが演奏中に光るような仕組みになっています。このような演出があるライブは初めてでしたので、最初に受け取ったときは良く分かりませんでした。
■メタリカメンバーの挨拶と前座
コンサートの開始前には、普段着姿のメタリカメンバーが出てきて、観客に挨拶をしました。このシーンは配信はされていなかったので、貴重なシーンであり、ちょっとしたサプライズでした。前座の司会者とDJを紹介して一旦メタリカメンバーは下がっていきました。
オープニングアクトはコメディアンのDean DelrayとPublic EnemyのDJ Lordでしたが、ファンはそれほど熱狂的に盛り上がっていないようでした。
■当日のセットリスト
セットリストに関しては前日のラーズのInstagramで下記のような写真が投稿されていました。
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実際のセットリストはこのような感じでした。
01. The Ecstasy of Gold
02. Hit the Lights
03. Creeping Death
04. Trapped Under Ice
05. Welcome Home (Sanitarium)
06. Orion
07. The Shortest Straw
08. One
09. Sad but True10. Nothing Else Matters
11. King Nothing
12. Fixxxer
13. Breadfan
14. No Leaf Clover
15. Frantic
16. The Day That Never Comes
17. Spit Out the Bone
このセットリストをみてすでにお分かりと思いますが、曲目が古い方から年代順に並んでいるんです。メタリカの40周年を記念したライブだけあって、彼らの歴史を頭が順に辿るような順番になっていた訳です。5chのスレでも予想されている方がいましたね。最初の曲が1stアルバム、キルエムオールの最初の曲という演出が素晴らしいですね。すみませんこれは私でも予想していました。(笑)
開演前にはメンバーのインタビュー動画が流され、嫌が応にも観客のボルテージが上がっていきます。お決まりのAC/DCのIt's a Long Way to the Topも彼らのプロモ映像つきで流され、The Ecstasy of Goldへとつながっていきます。
各アルバムから満遍なく1,2曲が選ばれ、演奏されました。Hit the LightsからCreeping Death、Trapped Under Iceの怒涛のファストチューン３連発には圧倒されてしまいました。Trapped Under Iceという滅多に演奏されない曲にファンは圧倒されていました。
この日のハイライトのひとつは、クリフバートンがライブで演奏している映像と、ジェイソンニューステッドのインタビュー映像が再生されたあとのOrionでした。忘れがたい瞬間になりました。
Oneの演奏の際にはステージ上の大きなパイロが焚かれ、大きな火柱が上がりました。ステージから離れたところにいましたが火柱の熱を感じました。ステージにいた彼らも結構熱かったのではないかと思いました。(笑)
今回はReloadからFixxxerが初めてライブで演奏されました。正直私は聴きなれていなかったのでピンときませんでした。（笑）
しかし、正直なところセットリスト全体を通してこう感じました。ちょっと尻すぼみだな‥と。最初のHit the Lightsから順に進んでいくあたりは凄く良かったんですよ。しかしSad But Trueが始まったあたりで嫌な予感がしたんです。「あれ？Enter Sandmanはやらないの？」と。せっかくあれだけブラックアルバムのリマスター版リリースで煽っておいてそれはないでしょ‥と思いましたよ正直。ああ、これは2日目のライブで演奏するんだなと感じました。実際その通りになりましたね。
良くも悪くも今回のライブは「メタリカの40周年記念式典」感が強く、彼らのレギュラーなライブとは違って少し物足りないものだと感じざるを得ませんでした。アンコールもありませんでしたしね。やはり最後はお決まりのSeek And Destroyでのファンとの掛け合いで会場が一体となるところを体験したかったです。それが心残りでした。
終焉後にはお決まりのピック＆ドラムスティック投げ大会。メンバーはコップに入れたピックをざっくりと掬い、スタンディングフロアのファンに向けてばらまいていました。私もトゥルージロが投げたピックを争奪戦の上で奇跡的に1枚ゲットしました。サンフランシスコのビル群とGolden Gate Bridgeがあしらわれたピックで、ライブ当日の日付が入っています。このピックも早々にeBayに出品され、$150前後の価格で落札されていました。
■最後に
アメリカ駐在のメリットを生かし、今回はサンフランシスコで行われたメタリカの40周年記念ライブに行くことができました。このライブ自体は記念式典向けのようなセットリストであったということもあり彼らの歴史を丁寧に辿るセットリストで、速い曲が好きなファンからすると100点満点とはいきませんでした。しかしながらが彼らの歴史に残る貴重な場に居られたこと自体が価値のあることで、素直に光栄なことだと感じました。
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